「最近、いびきがうるさいって言われた…」「自分では気づかないけど、家族から指摘されて気になってきた」そんな悩みを抱えてこのページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。いびきは誰にでも起こりうる身近な現象ですが、実は身体からの“重要なサイン”であることも少なくありません。
特に「なぜいびきをかくのか？」という原因を知らずに放置していると、慢性的な睡眠不足につながるだけでなく、睡眠時無呼吸症候群（SAS）や高血圧、心疾患など、命に関わる健康リスクを引き起こすこともあるのです。
とはいえ、「寝ている間のことだからどうしようもない」と諦める必要はありません。いびきの原因には、体重、鼻づまり、生活習慣、顎の骨格、加齢、ホルモンの影響など、さまざまな要素があります。そして、多くの場合はちょっとした工夫や習慣の見直しで改善が可能です。
この記事では、「いびきはなぜかくのか？」という根本的な疑問に答えながら、あなたのいびきの原因をセルフチェックする方法や、具体的な改善策、医療機関に相談すべきタイミングまでを網羅的に解説していきます。
「いびきは体質だから仕方ない」と思っている方こそ、ぜひ最後まで読んでみてください。きっと、今日からできるヒントが見つかるはずです。
いびきとは何か
いびきは、睡眠中に喉の奥が狭くなることで生じる音のことです。多くの人が経験する現象ですが、日常的に発生する場合は健康リスクが潜んでいる可能性もあります。ここでは、いびきの基本的な仕組みや、いびきをかく人とかかない人の違いについて解説します。
いびきの定義
いびきとは、睡眠中に気道（空気の通り道）が狭くなり、空気が通る際に喉の粘膜や筋肉が振動することで発生する音のことです。通常、気道は開いた状態を保っていますが、睡眠中は筋肉が緩むため、狭くなりやすくなります。その結果、呼吸がスムーズに行われず、いびきが発生します。軽度であれば問題ありませんが、慢性的ないびきは睡眠の質を下げるだけでなく、健康リスクにもつながるため、原因を理解し適切な対策を講じることが重要です。
いびきとはどんな現象？
いびきは、主に気道の狭まりによって発生する振動音です。睡眠中は舌や喉の筋肉が緩み、特に仰向けで寝ると舌の根元が気道をふさぎやすくなります。このため、空気が通る際に粘膜が振動し、音が発生します。いびきの大きさや頻度は個人差があり、一時的なものから慢性的なものまでさまざまです。風邪や疲労、飲酒後にいびきをかくこともありますが、慢性的ないびきは睡眠時無呼吸症候群（SAS）の兆候である可能性もあるため注意が必要です。
いびきをかく人とかかない人の違い
いびきをかくかどうかは、体質や生活習慣によって異なります。主な違いとして、以下の点が挙げられます。
- 体型の違い：肥満体型の人は首周りの脂肪が気道を狭めやすいため、いびきをかきやすい。
- 顎や気道の構造：小さな顎や扁桃腺が大きい人は、気道が狭くなりやすい。
- 生活習慣：飲酒や喫煙、寝る前の食事は喉の筋肉を緩め、いびきを誘発する要因になる。
- 性別・年齢：男性の方がいびきをかきやすく、加齢とともに発生率が上がる。
これらの要因が重なることで、いびきをかくリスクが高まります。特に、家族から指摘されるほどの大きないびきをかく場合は、健康状態を見直すきっかけにするとよいでしょう。
いびきが発生するメカニズム
いびきは、睡眠中に気道が狭くなることで発生します。喉や舌の筋肉が緩み、空気の流れが妨げられると、粘膜が振動して音が生じます。このメカニズムを理解することで、いびきの原因や対策をより明確にすることができます。
いびきが発生する仕組み
いびきは、気道が狭くなり、空気がスムーズに通過できなくなることで発生します。通常、気道は開いた状態を保っていますが、睡眠中は舌や喉の筋肉が緩むため、狭まりやすくなります。特に仰向けで寝ると、舌の根元が気道を塞ぎやすくなり、いびきをかく可能性が高まります。また、鼻づまりや肥満、加齢による筋力低下も、気道を狭める要因になります。このように、いびきはさまざまな要因が重なって発生するものです。
空気の通り道と振動の関係
いびきは、空気が狭くなった気道を通過する際に喉や舌の粘膜が振動することで発生します。これは、風が狭い隙間を通ると音を立てるのと同じ原理です。特に、気道の狭さや柔らかい組織の振動のしやすさが影響します。例えば、扁桃腺が大きい人は気道が狭くなりやすいため、いびきをかきやすくなります。また、疲労や飲酒後は筋肉がより緩み、振動しやすくなるため、いびきが悪化しやすいです。
睡眠中の筋肉の弛緩といびき
睡眠中は、体の筋肉が自然と緩みます。特に、舌や喉の周りの筋肉が弛緩すると、気道が狭くなり、空気の流れが悪くなります。この影響は、深い眠りに入るほど顕著になります。加齢により喉や舌の筋力が低下すると、気道がより狭まりやすくなり、いびきをかく頻度が増えることがあります。また、肥満の人は首周りの脂肪が気道を圧迫しやすく、筋肉の弛緩と相まって、いびきが起こりやすくなるのです。
肥満といびきの関係
肥満は、いびきを引き起こす主要な要因の一つです。特に首周りの脂肪が気道を圧迫すると、呼吸がスムーズに行えず、いびきが発生しやすくなります。ここでは、肥満といびきの関係について詳しく解説します。
首周りの脂肪が気道を狭める
体重が増えると、首周りに脂肪がつきやすくなり、これが気道を圧迫します。特に睡眠中は喉の筋肉が緩むため、脂肪による圧迫がさらに強まり、気道が狭くなります。結果として、空気の通り道が妨げられ、いびきが発生しやすくなります。仰向けで寝ると、重力の影響で舌が喉の奥に落ち込みやすくなり、より気道が狭まるため、いびきが悪化する可能性があります。
肥満体型の人がいびきをかきやすい理由
肥満の人はいびきをかくリスクが高い傾向があります。理由の一つは、首周りの脂肪に加え、舌や喉の奥にも脂肪がつくため、気道が物理的に狭くなりやすいことです。さらに、肥満によって横隔膜が圧迫され、十分な空気を取り込むために強い呼吸が必要になります。これにより、空気の流れが乱れ、喉の粘膜が振動しやすくなるため、いびきが大きくなることがあります。
減量がいびきの改善につながる？
体重を減らすことで、首周りや喉の脂肪が減少し、気道が広がるため、いびきの改善が期待できます。特にBMI（体格指数）が高い人ほど、体重を適正範囲に戻すことで、いびきの頻度や音の大きさが軽減される可能性があります。また、運動習慣を取り入れることで、呼吸筋が強化され、よりスムーズな呼吸ができるようになるため、いびき対策としても有効です。
アルコールや睡眠薬の影響
アルコールや睡眠薬は、いびきを引き起こす要因の一つです。これらは喉の筋肉を弛緩させ、気道を狭めることで、いびきを悪化させる可能性があります。ここでは、それぞれの影響について詳しく説明します。
アルコール摂取が喉の筋肉に与える影響
アルコールには筋肉を弛緩させる作用があり、特に喉や舌の筋肉が緩むことで気道が狭くなります。睡眠中はもともと筋肉の緊張が低下するため、アルコールを摂取するとこの影響がさらに強まります。その結果、空気の流れが妨げられ、喉の粘膜が振動しやすくなり、いびきが発生しやすくなります。また、アルコールは喉の粘膜を乾燥させるため、振動音が大きくなることもあります。
睡眠薬・鎮静剤といびきの関係
睡眠薬や鎮静剤も、アルコールと同じく筋肉を弛緩させる作用があります。特に、ベンゾジアゼピン系や抗ヒスタミン薬などの鎮静作用のある薬は、気道の周囲の筋肉を緩めるため、気道が狭くなりやすくなります。その結果、通常よりも気道の抵抗が増し、いびきの発生リスクが高まります。また、睡眠薬を服用すると睡眠が深くなりすぎるため、無呼吸のリスクが高まる可能性もあります。
どの程度の飲酒がいびきに影響するのか？
アルコールの影響は個人差がありますが、一般的に寝る3時間以内の飲酒は、いびきをかきやすくする可能性が高いとされています。特に大量に飲酒すると筋肉の弛緩が強くなり、いびきが悪化しやすくなります。適量の目安としては、ビールなら500ml、日本酒なら1合（180ml）程度までが推奨されます。習慣的に飲酒する人は、いびきを防ぐために寝る前の飲酒を控えることが望ましいでしょう。
鼻づまりやアレルギー性鼻炎
鼻づまりがあると、鼻呼吸が難しくなり、口呼吸に頼ることになります。口呼吸は気道が狭くなりやすく、いびきを引き起こす要因となります。ここでは、鼻の通りが悪いことがいびきに与える影響について詳しく解説します。
鼻呼吸と口呼吸の違い
鼻呼吸と口呼吸では、気道の確保のしやすさが異なります。鼻呼吸では空気がスムーズに流れ、気道が安定しやすいですが、口呼吸になると舌の位置が後方に下がり、喉が狭くなるため、いびきをかきやすくなります。また、鼻は空気を加湿・浄化する役割も担っており、口呼吸になると喉の乾燥が進み、いびきが悪化しやすくなります。
アレルギー性鼻炎がいびきを引き起こす理由
アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンによって鼻粘膜が腫れ、鼻づまりを引き起こします。その結果、鼻呼吸が困難になり、口呼吸になりやすくなります。口呼吸をすると、舌の根元が気道を塞ぎやすくなるため、いびきの原因となります。特に寝室の環境を整え、アレルゲンの除去に努めることが重要です。
風邪や副鼻腔炎による一時的ないびき
風邪をひいたときや副鼻腔炎になると、鼻の粘膜が腫れて鼻づまりを引き起こし、一時的に口呼吸になります。これにより、普段は鼻呼吸の人でもいびきをかくことがあります。風邪が治ればいびきも改善することがほとんどですが、慢性的に副鼻腔炎を患っている場合は、継続的にいびきをかきやすくなる可能性があります。
顎の形状や骨格の影響
顔や顎の骨格は、気道の広さに関わる重要な要素です。中でも顎の大きさや位置が気道のスペースに影響し、いびきを引き起こす要因となることがあります。ここでは骨格に起因するいびきの原因について解説します。
小さい顎や後退した顎がいびきを引き起こす
顎が小さい、または後退していると、舌が後方に押しやられやすくなります。その結果、睡眠中に舌が喉の奥へ落ち込み、気道をふさぐことでいびきを引き起こしやすくなります。特に仰向けで寝ると、重力の影響でさらに気道が狭くなるため、いびきが大きくなりがちです。顎の骨格は見た目だけでなく、睡眠時の呼吸にも深く関わっているのです。
遺伝による骨格の影響
骨格の特徴は遺伝的な要素が大きく、家族にいびきをかく人が多い場合、自身も同様の骨格を持っている可能性があります。特に、狭い上顎や低い口蓋（口の天井）が見られる家系では、気道が狭くなりやすく、いびきをかく傾向が高まります。こうした遺伝的な骨格構造は生活習慣だけでは改善しにくいため、根本的な対策が必要になることもあります。
矯正治療でいびきは改善する？
骨格の影響によるいびきには、歯科矯正や顎の位置を改善する治療が効果的な場合があります。例えば、下顎の位置を前方に出す装置（スリープスプリント）を用いると、舌が気道を塞ぎにくくなり、いびきを軽減できることがあります。また、成長期の子どもであれば、顎の成長を促す矯正も有効です。症状が重い場合は、耳鼻科や睡眠専門医との連携が推奨されます。
加齢と筋力の低下
年齢を重ねるとともに、喉や舌の筋力が衰えやすくなります。これが気道を支える力の低下につながり、いびきのリスクが高まります。ここでは、加齢がいびきに与える影響とその対策を紹介します。
年齢とともにいびきがひどくなる理由
加齢により、喉まわりの筋肉や舌の筋力が低下すると、気道を広く保つことが難しくなります。その結果、睡眠中に気道が狭まりやすくなり、空気の通りが悪くなっていびきが発生します。特に60歳を過ぎると筋肉の弾力性が落ち、振動しやすくなるため、以前よりも大きないびきをかく人が増えます。加齢による変化は避けられませんが、意識的なトレーニングで予防や軽減が可能です。
喉の筋肉を鍛えるトレーニング
喉や舌の筋肉を鍛えることで、気道を支える力を保ち、いびきの予防につながります。たとえば、以下のような簡単なトレーニングが効果的です。
舌を上あごに押し付ける（1日10秒×5回）
「あ・い・う・え・お」を大きく発声
口を閉じて左右に舌を動かす
これらの運動は継続することが大切です。特別な器具を使わずにできるため、日常に取り入れやすい方法です。続けることで、いびきの軽減が期待できます。
性別による違いとホルモンの影響
いびきの発生には、性別も大きく関係しています。男性と女性では気道の構造やホルモン分泌に違いがあり、それがいびきのかきやすさに影響を与えます。ここでは性別ごとの特徴とホルモンの関係性について解説します。
男性がいびきをかきやすい理由
男性は一般的に気道が狭く、喉や舌まわりの筋肉量が多いことから、睡眠中に気道がふさがれやすい構造をしています。また、女性に比べて内臓脂肪や首周りの脂肪がつきやすいため、気道を圧迫しやすくなります。さらに、男性ホルモンの影響で筋肉が弛緩しやすいことも、いびきの原因の一つとされています。こうした体のつくりやホルモンの働きが、男性にいびきが多い理由といえるでしょう。
女性ホルモンといびきの関係
女性ホルモン（エストロゲンやプロゲステロン）には、気道を支える筋肉の働きを保つ作用があります。そのため、ホルモン分泌が安定している間は、女性はいびきをかきにくい傾向があります。また、プロゲステロンは呼吸中枢を刺激する働きもあり、自然な呼吸を促す役割を果たしています。こうしたホルモンの作用が、女性が比較的いびきをかきにくい理由の一つです。
更年期以降の女性にいびきが増える理由
更年期を迎えると、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が大きく減少します。これにより、喉まわりの筋肉の緊張が保てなくなり、気道が狭まりやすくなります。また、年齢とともに体脂肪がつきやすくなることで、首や顎まわりに脂肪がたまり、気道が圧迫されやすくなるのも要因です。そのため、これまでいびきをかかなかった女性が、閉経後にいびきをかくようになるケースも少なくありません。
いびきが示す可能性のある健康リスク
いびきは単なる音の問題にとどまらず、深刻な病気のサインであることもあります。特に睡眠時無呼吸症候群（SAS）をはじめとする疾患との関係は注目されています。ここでは、いびきが示す健康リスクについて解説します。
睡眠時無呼吸症候群（SAS）
SASは、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気で、強いいびきがその前兆となることが少なくありません。自覚しづらいため、早期発見が重要です。
無呼吸といびきの違い
いびきは空気の振動音ですが、無呼吸は10秒以上の呼吸停止を指します。いびきの合間に呼吸が止まっている場合、それはSASの可能性があります。無呼吸は睡眠の質を著しく下げるため、ただのいびきとは区別して対処が必要です。
SASの症状とチェックリスト
SASの代表的な症状には「寝ている間の大きないびき」「起床時の頭痛」「日中の強い眠気」などがあります。セルフチェックとして以下の項目に複数該当する場合、医療機関の受診が推奨されます。
- 寝ている間に息が止まっていると言われる
- 朝すっきり起きられない
- 日中の眠気で仕事に支障がある
- 肥満体型である
SASが放置されるとどうなる？
SASを放置すると、睡眠の質が慢性的に低下し、集中力や判断力が鈍るだけでなく、高血圧や心疾患、脳卒中などのリスクが上がります。特に重症の場合は突然死の危険もあるため、早めの対応が求められます。
高血圧や心疾患との関連性
いびきや無呼吸によって体内が酸素不足になると、自律神経が乱れ、心臓や血管に大きな負担がかかります。これが高血圧や心疾患の引き金になることがあります。
いびきと血圧の関係
いびきをかくことで呼吸が不安定になり、交感神経が過剰に刺激されると、血圧が上昇しやすくなります。特に早朝高血圧の傾向がある人は、SASの影響を受けている可能性もあります。
心臓への負担といびきの関係
呼吸が断続的に止まると、心臓は酸素不足に対応しようと負荷がかかります。その結果、心拍数が乱れたり、心不全や不整脈のリスクが高まることがあります。心疾患を既に抱えている人は特に注意が必要です。
日中の眠気や集中力の低下
いびきによって睡眠の質が低下すると、日中に強い眠気を感じたり、集中力が続かないなどの支障が出ることがあります。これは仕事や日常生活に大きな影響を与える要因です。
いびきによる睡眠の質の低下
いびきをかくことで浅い眠りが増え、深い睡眠が確保できなくなります。その結果、寝ても疲れが取れず、翌日も眠気が残ってしまうという悪循環が生まれます。
仕事や学業への影響
日中の眠気や集中力の低下により、仕事のパフォーマンスが落ちたり、会議中や運転中に居眠りする危険も出てきます。学生であれば、学業成績や注意力に影響が出ることもあります。
脳梗塞や糖尿病との関係
慢性的ないびきや無呼吸は、脳や代謝機能にも悪影響を及ぼします。放置すると、重大な疾患のリスクを高めることがあります。
睡眠不足が引き起こす健康リスク
十分な睡眠が取れないと、自律神経のバランスが崩れ、血管の収縮や血圧の変動が起こりやすくなります。これが脳梗塞や動脈硬化のリスクにつながる可能性があります。
血糖値の変動といびきの関連性
睡眠の質が悪いと、インスリンの働きが乱れ、血糖コントロールがうまくいかなくなります。その結果、2型糖尿病の発症リスクが高まることが報告されています。特に肥満を伴う人は要注意です。
いびきの自己診断と医療機関の受診目安
いびきは自覚しにくいため、自己チェックや家族の指摘が大切です。放置すると健康リスクが高まることもあるため、必要に応じて医療機関での検査・治療を受ける判断が重要です。ここではセルフチェック方法と受診の目安を紹介します。
いびきのセルフチェック方法
いびきの有無や頻度、無呼吸の兆候を確認することで、健康リスクを早めに察知できます。ここでは自宅でできる確認方法を解説します。
自分でできるいびきチェック方法
家族や同居人にいびきの有無を確認するのが最も確実です。また、次の項目に当てはまる場合は要注意です。
- 朝起きても疲れが取れない
- 日中に強い眠気を感じる
- 寝ている間に息が止まっていると指摘された
これらに複数該当する場合は、専門医の診断を検討しましょう。
アプリの活用
最近では、スマートフォンで睡眠中の音を録音・分析できる無料アプリも多数あります。代表的なアプリには「いびきラボ」「Sleep Cycle」などがあり、いびきの頻度や音量、無呼吸の兆候を記録することが可能です。記録を医師に見せることで、診断の手助けにもなります。
医療機関を受診すべき症状
いびきが日常生活に支障をきたしたり、無呼吸が疑われる場合には、早めの受診が重要です。ここでは受診の目安と診療科について説明します。
危険な兆候とは？
以下のような症状がある場合、医療機関の受診を検討すべきです。
- 寝ている間に息が止まっていると言われる
- 朝起きたときに頭痛やだるさがある
- 日中に強い眠気や集中力の低下を感じる
これらは睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、放置せず専門医の診察を受けることが大切です。
どの診療科を受診すべき？
いびきや無呼吸が疑われる場合、まずは「耳鼻咽喉科」または「睡眠外来」を受診するとよいでしょう。症状によっては「呼吸器内科」や「循環器内科」など、他科との連携治療が行われることもあります。事前に診療科を調べておくとスムーズです。
診察や検査の内容
病院ではいびきの原因を明らかにするため、問診・視診に加えて、睡眠の質や呼吸の状態を調べる検査が行われます。
睡眠ポリグラフ検査とは？
「終夜睡眠ポリグラフ検査（PSG）」は、睡眠中の脳波・心拍・呼吸・いびきの有無などを同時に測定する精密検査です。無呼吸の回数や睡眠の質を客観的に把握できるため、SASの診断に欠かせません。病院に一泊して行う場合と、持ち帰りタイプの簡易検査もあります。
病院での診察の流れ
診察は問診から始まり、いびきの頻度、日中の眠気、体型、生活習慣などを確認されます。その後、必要に応じてPSGや血液検査、レントゲンなどが行われます。検査結果に基づき、治療法が提案され、生活習慣の見直しや機器の導入が進められる流れです。
いびきの改善方法と対策
いびきを軽減・予防するには、生活習慣の見直しや環境整備、医療的アプローチなど、さまざまな方法があります。ここでは日常で取り入れやすい改善策から専門的な治療法までを紹介します。
生活習慣の見直し
いびき対策の基本は、体重管理や飲酒・喫煙の見直し、睡眠姿勢の工夫など、日常生活の改善にあります。小さな習慣の積み重ねがいびきの軽減につながります。
適切な体重管理
体重が増えると首や喉に脂肪がつきやすくなり、気道が圧迫されていびきをかきやすくなります。BMIが高めの人は、減量によって気道が広がり、いびきの改善が期待できます。
研究によると、体重を5〜10％減らすだけでも、いびきや睡眠時無呼吸の症状が軽くなるケースがあります。特に中等度以上の肥満の人は、ダイエットによる改善効果が大きいとされています。
就寝前の飲酒や喫煙の控え
アルコールや喫煙は、喉の筋肉を緩めたり粘膜を刺激するため、いびきを悪化させます。就寝前数時間はこれらを控えることで、呼吸の安定に役立ちます。
理想的には就寝3時間前以降の飲酒は避けるのが望ましく、量はビール500ml、日本酒1合程度に抑えるとよいとされています。毎日の飲酒習慣がある人は、休肝日を設けるのも有効です。
睡眠姿勢の工夫
仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込みやすく、気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。寝方を工夫することで気道の確保がしやすくなります。
横向きに寝ると舌が気道を塞ぎにくくなり、空気の流れがスムーズになります。特に左側を下にすると胃の位置も安定し、いびきだけでなく逆流性食道炎の予防にも役立ちます。
鼻づまりやアレルギーの対処
鼻づまりは口呼吸の原因になり、いびきを悪化させます。市販の鼻炎薬や鼻うがい、加湿器の活用、アレルゲンの除去などで鼻の通りを改善することが、いびき対策に有効です。特にアレルギー性鼻炎の人は、寝具や空気環境の見直しも重要です。
口腔内装置（マウスピース）の活用
医療機関で処方されるスリープスプリントと呼ばれるマウスピースは、下顎を前方に固定し、気道を広げることでいびきを防ぎます。軽度〜中等度の睡眠時無呼吸症候群にも適応され、手軽に始められる治療法として広く使われています。市販品もありますが、効果やフィット感を考慮すると歯科での作製が推奨されます。
CPAP療法などの医療的アプローチ
CPAP（シーパップ）療法は、鼻に専用マスクを装着し、空気を送り込んで気道を常に開かれた状態に保つ治療法です。中等度以上の睡眠時無呼吸症候群に対して高い効果があり、いびきや無呼吸をほぼ完全に防ぐことができます。医師の診断を受けた上で処方され、継続的なフォローが必要となります。
いびき対策グッズの紹介
いびきは生活習慣の見直しに加え、専用グッズを取り入れることで改善できる場合があります。ここでは、自宅で手軽に使える3つの定番対策アイテムを紹介します。
いびき防止枕
いびき防止枕は、首や頭の角度を適切に保つことで、気道の確保をサポートする寝具です。特に「横向き寝」を促す設計のものや、顎が自然に引ける形状の枕は、いびきの軽減に効果が期待できます。低反発素材や高さ調整機能があるタイプも多く、自分の寝姿勢に合わせて選ぶことができます。いびきが気になる方は、まず枕の見直しから始めてみるのもよいでしょう。
枕の高さについては下記の記事も参考にしてください。
https://kenkouotaku.jp/makuratakaito/
おすすめ商品①YOKONE3B
YOKONE3Bは横向きに寝る姿勢をサポートする枕です。横向きに寝ることで気道を確保することができ、いびきの防止につながります。
また、頬の部分がへこんでいるため、肌の接地面が減り、肌トラブルの防止もできます。
顔のシワや肌荒れもサポートする横向き寝まくら YOKONE3B
おすすめ商品②My makura 【WEB限定】首肩快適枕プレミアム （ネイビー）
オーダーメイド枕で有名なMy makuraの首肩快適枕プレミアムも楽に横向き寝ができる設計になっている枕です。ウレタンシートやパイプで細かい調整ができる点も魅力です。
https://www.mymakura.com/c/all/makura/self/SAL10073-80
鼻腔拡張テープ
鼻腔拡張テープは、鼻の外側に貼ることで鼻孔を広げ、呼吸をしやすくするアイテムです。鼻づまりが原因で口呼吸になっている場合に特に効果的で、鼻の通りが良くなることでいびきの軽減が期待できます。使い捨てタイプで就寝前に簡単に装着できるため、習慣にしやすい点も魅力です。軽度のいびき対策として、まず試してみる価値があります。
下記におすすめ商品をご紹介します。
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加湿器や空気清浄機
乾燥した空気やホコリは喉や鼻の粘膜を刺激し、いびきの悪化につながることがあります。加湿器は部屋の湿度を保つことで喉の乾燥を防ぎ、快適な呼吸をサポートします。また、空気清浄機は花粉やハウスダストを除去し、アレルギー性鼻炎による鼻づまりの予防にも役立ちます。特に冬場や花粉シーズンには、寝室の空気環境を整えることがいびき対策の一環になります。
